第3話「束の間の休息」













アフラマズダ ブリッジ

「ジムU、クロスガンダム、2機とも健在です」
「よし、着艦後各自休息を取るように伝えろ。向こうからの連絡は?」
「依然ありません」
「要するに、自力で帰って来い、ってことか?」
「現在、ジャブロー降下作戦の準備中が進められてます。そのため、こちらの方までまわらないと思いますが・・・」
「ふむ・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだな、このまままっすぐ帰った方がいいだろ。高崎、艦内にアナウンス回せ」
「了解」
美由は手元の端末から艦内にアナウンスできるようにした。
「準備できました。」
祐一は手元の受話器を取った。
『これより我が艦は月への進路を取る。到着まで約五日。それまでもう一頑張りしてもらいたい。以上だ』
アナウンスが終了すると祐一は受話器を元に戻した。
「おっと、そうだ。キラには一時間後、俺の部屋に来るように言っておいてくれ」
「あ、はい」
美由の返事を聞くと、祐一はシートに座り直した。


輝羅自室

「ふぅ・・・・・・・」
輝羅は自室で休んでいた。
部屋は二人ようだが、今は輝ら一人しかいない。
(よく考えたら、何であの時あんな事言ったんだろう)
自室に戻ってから一時間近く。
輝羅はずっとその事に対して自分に問い続けていた。
(そういえば艦長から呼び出されてたんだよな。そろそろ一時間経つし、行こっか)
ベッドから起き上がると身だしなみを整え、部屋を出た。
(理由なんかいくらでも見つかる。今は生き延びるほうが大切だ)
たまたま近くを通ったクルーの人に場所を聞いて、そこに向かった。

数分後・・・
「ここかな?」
何とか艦長室の前まで辿り着いた。
(開いてるのか?)
一歩近づくと、プシュウと音を立ててドアが開いた。
(ロックしてないのかな)
と思いつつも周りに人もいなかったので「失礼します」と小声で言ってから入った。
部屋の中は簡素でベッドやクローゼット、本棚やデスク等、生活や仕事に必要な一式しかなかった。
ふとデスクの上の写真たてが目に入った。
手にとってみると、写真は若い男女の写真だった。
(男性のほうは艦長だよな。一緒に写ってるのは・・・・?)
青いロングの髪をゆらして祐一の腕に抱きついている写真だった。
(恋人・・・・・・・・・・・・・・・かな?)
輝羅がまじまじと写真を見ていると、不意にドアが開いた。
「人の部屋に勝手に入り込んで物色とは、いい度胸だな」
振り返ると、そこには腕組をして、不適な笑みを浮かべた祐一が立っていた。
「あ、あの・・・・その・・・・・・・・・・・・・・・すみません」
「・・・・・・まぁ、いいよ。ロックをかけなかった俺も悪いんだからな」
祐一は写真たてを取ると、またもとの場所に戻した。
「さて、ここに呼んだのは他でもない」
輝羅は固唾を飲んだ。
「・・・・・・・・・書類作成だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
「いや、書類作成だよ。お前はすでにあのクロスのパイロットなんだから、その為の書類だよ。」
「はぁ」
「現地徴用ということで提出するからな。んじゃ、この用紙に必要な部分だけ書いてくれ
とりあえず渡された用紙に記入し始めた。

大方書き終わり、艦長に渡した。
「ん、こんなもんか。後は指紋を記録するだけだな。あの機械どこやったっけなー」
祐一は机の引き出しを漁り出した。
「・・・・・・・・・・・・・・・あの先程の写真に写ってるのって、艦長の・・・・」
「ああ。ま、正確には従兄妹なんだけどね。・・・・・・・・・・・・・」
少し沈黙が続いた。
「なぁ、デラーズ・フリートって知ってるか?」
「はい。核搭載のMSを強奪し、最終的にはコロニー落としを実行したあのジオン残党軍ですよね」
「ああ。俺はその頃連邦軍にいたんだが、その阻止作戦に駆り出されたんだが、そこで彼女を失ってね。終わったら告白するつもりだった んだ。それからなんだよ、MSに乗れなくなったは、っとあったあった。ここに指乗せて」
「・・・・・・・・・すみません、余計な事聞いて・・・」
「ん?まぁ、気にすんな。こんな体験、誰だって一度くらいあるって。お、終わってるね。んじゃ、あとはこっちの仕事だから」
「はい」
「それじゃあ僕はこれで失礼します」
「おっと、そうだ。昼飯まだだろ?お前の友達、食堂にいると思うぞ」
「はい、わかりました。それじゃ、失礼します」
輝羅はお辞儀して部屋を出て行った。
祐一はしばらくドアを眺めていた。
(・・・・・・・・・・・・・もしかしたら、素質あり・・・・っかな)
一息つくとまたデスクに向かい直った。
「さて、さっさと終わらせますか」

アフラマズダ 食堂
輝羅が顔を覗かせるとそこには見慣れた顔があった。
「キラ!!」
最初に輝羅に気づいたのはジーノだった。
「キラ、すごかったな、さっきの戦闘」
「あはは、見てたんだ」
「ま、いやでも見ちまうんだけどな」
「キラ!」
「キラ!」
ミアとロイも声を掛けてきた。
しばらく昼食を取りながらみんなと話をした。
「と、俺達はそろそろ交代の時間だから」
「うん、それじゃあ」
ジーノ達が出て行ったのと入れ違いに、舞が入ってきた。
舞は昼食を受け取ると、輝羅と向かい側の席に座った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく二人の間には無言が続いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(うう、やっぱり話しにくい)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さっきは・・・・・・・・」
「え?」
「・・・・・・・・・・・・・・・さっきは・・・・・・・・・・・・助けてくれて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・あ、当たり前じゃないですか。舞中尉も、この艦の人達も、もうみんな仲間なんですから」
輝羅は笑顔で答えた。舞もつられて笑顔になった。
「アーガマ級3番艦、アフラマズダ搭載機ジムUパイロット、川澄舞中尉。これからよろしく」
自己紹介と同時に右手を出した。
「え、えと、同じく搭載機、クロスガンダムパイロット、進堂輝羅です。これからもよろしくおねが「キラくーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」
握手を交わそうとしている輝羅に美由が飛びつき、握手を中断させた。
「み、美由!?」
「キラくぅーーーーーーん、かっこよかったよーーーーーーーーー!」
「う、うん、わかったから、とりあえずどいて」
「むー、久しぶりに会ったのに」
美由が渋々退き、輝羅はやっと起き上がった。
思い出した様に舞の方を見ると、普段の表情で食事を再開していた。
「・・・・・・・・・・・・・・はぁ」
「ねぇねぇ、キラ君は何であの機体に乗ってたの?」
その場の雰囲気を無視し、美由が聞いてきた。
「ん?成り行きだよ。それより美由はなんでこの艦にいるんだ?」
「んとね、お母さんがエゥーゴに参加する時、無理言ってついてきたの。ちゃんと通信士の免許もあるよ」
「志乃さんが?じゃあ、さっきカタパルトで結構偉そうだったあの人って・・・」
「たぶんお母さんだと思うよ」
「やっぱり。でも、声は掛けてくれなかったよ」
「まぁ、いろいろあったんだよ。」
「そんなもんなのかな」
「そんなものだよ」
話が一区切りついたところで、輝羅は食べ終わった食器をカウンターに戻し、食堂を出て行った。
「まってよ〜」
後から美由があわててついてきた。
「これからどうする?」
「ん〜、MSの整備はやってくれるし、私も後一時間半は暇だから、・・・・・・・・・・・・・この艦案内してあげるよ」
「いいの?」
「うん、いいよ。じゃ、早速行こっか」



アレキサンドリア ブリーティングルーム
「サラミス改は二隻とも沈み、MS隊も全滅した。だから上の人間は速急にあの艦を墜とすため、我々が派遣されたのだ」
「肉まん、肉まん〜♪」
場の緊張感は一人の少女の歌によって打ち砕かれた。
「沢渡中尉、聞いているのか!?」
「何よう、肉まんならあげないわよう」
「要らんよ。とにかくあの艦が月の宙域に入るまで、2回交戦のすることができる」
「つまり、チャンスは2回というわけですね」
ブラウンの髪の青年が答えた。
「そうだ。2回目の時は多少援軍は来るらしいが・・・・・・・って、沢渡中尉!聞いているのか!!」
「何よう、ちゃんと聞いてるわよう」
真琴は皿にあった肉まんを食べ終わると、ドアに向かって歩いていった。
「沢渡中尉、どこへ行く!」
「要は2回の内に、そいつを落せばいいんでしょ?」
真琴は振り向いて言った。
「大丈夫よ、きっちり落してやるんだから」














アフラマズダ 月到着まであと、四日






















あとがき

シャレにならない位中途半端かも。

と言っても詳しく書いてる時間はなし。

今回はKanonヒロインが一人、真琴が登場。

次回は真琴VS輝羅です。

こちらも中途半端になりそうな・・・・・




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