機動戦士ガンダム外伝
宇宙の翼













宇宙世紀0087年3月2日、グリーンオアシスで起こった、ガンダム強奪事件。

この事件をきっかけに、エゥーゴとティターンズの争いは一気に表面化した。

それから約1ヶ月後の4月5日、サイド5で開発された新型のMS。

そして、サイド5のエコールコロニーに住む少年、進堂 輝羅。

彼等の伝説が始まる・・・・・・・















第1話「クロス」










サイド5、エコールコロニー。

「新型のMS、ここで受け取るんだよな。」
先ほど入港した艦、「アフラマズダ」のブリッジで艦長は嘆いた。

月の都市の一つ、「リバイス」で完成した新造艦。
途中敵の偵察隊に見つかり、命からがら逃げてきた。
MSはない事はないのだが、1機のみなので逃げる事を優先してきた。

「そうですね〜。・・・・・・・・・・帰りの推進剤は残ってるんですか?」

オペレーターの一人がゆったりした口調で話し掛けてきた。

「帰りの方なら大丈夫だが・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・あの、艦長、艦長が直々にMS搬入の指揮をとってきたらどうですか?」
「え?」

いきなりの意見に、艦長は目を丸くした。

「いえ、艦長直々の指揮なら、搬入もすぐ終わると思いましたから・・・・・・・」

確かに、オペレーターが言う事はもっともだった。
艦長の指揮力がなければ、この艦はとっくに沈んでいた。

「・・・・・・・・・・・・そうだな。じゃあ、行ってくるよ。志乃大尉、代理よろしくね。」
「了解しました!」

志乃と呼ばれた女性に一礼すると、艦長は扉の向こうに消えていった。




所変わって、ここはスクールの一室。
ドアに貼り付けられたプレートには「ジュニアモビルスーツ研究会」と書かれてある。

「なぁケイン、例の間接の方は安定してるか?」

バンダナをした少年(と言っても全員16,7位)が、ジュニアモビルスーツに乗っている、ブラウンの髪の青年に尋ねた。

「うん、例の間接の方は大丈夫だよ、ジーノ。後は合計値が・・・・・」
「キラァ、合計値は出たかー?」

ジーノと呼ばれたバンダナの少年は、今度はディスプレイに向かってキーボードを叩いている少年に呼びかけた。

「うん・・・・・・・・合計値の方も結構安定してるよ。次の大会も勝てるかもね。」
「本当!?」

キラと呼ばれた少年の返事に、ショートボブの少女が近づいてきた。

「うん、どうやらジーノとミアが持ってきてくれたエンジンがいいみたい。」
「やったぁー。」
「よーし、今度の大会もいただきだな。」

ミアと一緒にいるロイが振り向いて言ってきた。

「なら、操縦は誰がやる?一番確実なのはキラだが?」
「うん、いいと思うよ。」
「なんてったって、2年連続優勝だもんな。」

ジーノの一言に、ミアとロイが同意した。

「え、でも毎回僕だとみんなに悪いような・・・・・・」
「キラ、俺達は優勝するためにやってるんだよ。確実に優勝する状態で臨むのが、一番だと思うよ。」

キラの反論にケインがやさしい追い討ちをかけた。

「・・・・・・・・・・・・わかった。優勝できるよう、努力するよ。」

輝羅の一言で場が一件落着できたすぐ後に、耳をつん裂くような爆発音が聞こえ、部屋の電気が消えた。

「な、なんだぁ!?」

ジーノが驚いて、すぐにドアを開けた。

「どうしたんですか!?」
「ティターンズのMSがこの辺りに攻撃を仕掛けてきたんだよ。」
「なんだって!?」

ジーノ達はすぐに部屋からの避難を始めた。

「近くにシェルターは?」
「ないね。スクールの外に出ないと。」
「ちくしょー!」

中途半端なコントして5人は走り出した。
しばらく走っているうちに、キラのポケットから金属質の物が落ちた。

「あっ。」

キラが取りに戻るとジーノ達の間に瓦礫が落ちてきた。

「キラぁ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。悪いけど、そっちに行けそうにないんだ。僕はこっちの方でシェルターを探すよ。」
「・・・・・・・・・・・・わかった。死ぬなよ。」
「うん。」

返事をすると、キラは元来た道を戻り始めた。

(確かこっちに”立ち入り禁止”の場所があった。多分そこなら、・・・・)

しばらく走ると、”立ち入り禁止”と書かれたドアがあった。

「よし、ここなら。」

輝羅は、思いっきりドアを引いたがかなり重く、30秒かけてやっと通過できた。

(防音加工してある・・・・・・・・この先になにが?)

すると通路の先から銃声が聞こえてきた。
輝羅が慌てて行ってみると、そこはぽっかり空間の空いた部屋があり、10m程下にはMSが一機、
ハンガーフレームに横向きにかけてあった。

(ガンダムタイプのMS?)

MSの周りには人という人はおらず、近くのコンテナに男性が一人、銃撃戦を行っていた。
輝羅は、後ろの方にティターンズのノーマルスーツを着た人に気付き、大声で叫んだ。

「うしろ!来てます!」

輝羅の声に気付き、後ろの敵を迎撃すると、すぐ声の主に振り向いた。

「お前!立ち入り禁止って書いてあったろう!?」
「すみません。すぐ別のシェルターに行きます。」
「ここにはシェルターなんて無いぞ。」
「えぇ、じゃぁどうすれば・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・降りて来い!早く!」

輝羅は促がされるままに飛び降りた。

「すごいな・・・・・・・・早く上がれ!」
「は、はい。」

銃弾に気を付けながら、MSのコックピット近くまで行った。
先ほどの男性もすぐに上がってきた。

「早く入れ!」
「え、えぇ?」

戸惑っていると男性から突き飛ばされ、コックピットに落ちていった。
男性もすぐに降りてきた。

「奴等の狙いはこの機体か。」

男はコックピットハッチを閉め、機体を起動させる。

「だが、意地でも守ってやる。」

男はコントロールスティックを握るが、手が震えてきている。

「・・・・・・・・・・・・・・もしかして、MS苦手なんですか?」
「ああ。前は乗れたんだが、ある出来事以来、どーも恐怖症になっちまって。」
「・・・・・・・・・・・・・・代わってください。僕がやってみます。」
「ええ!?でも・・・・・・・・・」
「大丈夫です。JrMSの操縦なら慣れてますから。」
「あのなぁ、MSとJrMSはちがんだよ。」
「今ここで死ぬ訳にはいかないんですよ!」

男は仕方なく座席を譲った。

「これがこうなって、こっちがこうだから、・・・・・よし、こうだ!」

輝羅が両フットペダルを踏み込み、コントロールスティックを前に倒すと、機体が徐々に立ち上がった。

「・・・・・・・・・・・・本当にMS初めてか?」
「MS自体は初めてですよ。」
「・・・・・・・あそこの屋根が開いている。あそこから出ろ。」
「はい。」

近くの光が差している真下まで来ると、左側のコントロールスティックの隣にあるレバーを前の方にスライドし、
バーニアを点火させ、空に向かって飛び出した。
外では2機のジム・クゥエルと1機のジムUが戦っていた。

「あの辺りに降りてくれ。」
「はい。」

キラは言われた通り、ジムUの近くに着地した。
男は着地と同時に、ジムUへ回線を開いた。

「舞中尉!」
「その声、祐一・・・・・・艦長。」
「ああ、そうだ。こっちで一機相手をするから、もう一機を頼む。」
「了解。」

舞と呼ばれた女性は返事をすると、一機のジム・クゥエルに向かっていった。

「と言う事は、僕達はあの敵を相手にするということですか?」
「そう言うことだ。」

ふいにジム・クゥエルが90mmマシンガンを向けてきた。

「!ちぃ!」

祐一と呼ばれた男はコンソール近くのスイッチを押した。
途端に機体の色が灰色メインから、白を基調とする色に変わっていった。

「なに、機体の色が変化した!?」

クゥエルのパイロットは少し驚いたが、すぐにマシンガンを発射した。
しかし、機体の表面に当たった瞬間、弾かれてしまった。

「実弾を・・・・・・・弾いた!?」
「これがハーネットジュエル社の新技術、フェイズシフト装甲か。・・・・・・・今がチャンスだ。早く反撃を!」
「は、はい。ええと、武器は・・・・・・・・・・バルカンと・・・・・・・・・・アーマーシュナイダー?
・・・・・・・・・ナイフのみ!?」

すぐさま腰のサイドアーマーから、ナイフを両手に取り出し、クゥエルに向かって走り出した。

「く、くそ!」

クゥエルはマシンガンをがむしゃらに乱射するが、すべて弾かれてしまう。

「ちぃ、実弾が駄目なら、ビームだ!」

クゥエルはマシンガンを投げ捨て、バックパックのビームサーベルに手を掛けた。

「させるかぁー!!」

すぐ近くまで接近したキラは、左手のアーマーシュナイダーをクゥエルの右肩の付け根に突き刺した。
電気系統をやられた右腕は、ビームサーベルの取っ手を持ったまま、だらりと下がった。

「まだだぁー!!!」

輝羅は間髪入れず、右手のアーマーシュナイダーをクゥエルの首元に突き刺した。

「しまった、メインカメラがやられた。」

すぐさま自爆コードを入力し、クゥエルのパイロットは脱出した。

「?。人が、・・・・・」
「やばい、自爆するぞ!!」
「え?」

輝羅が聞き返す前に、クゥエルは自爆した。

「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「!。祐一・・・・・。」

丁度コックピットにビームサーベルで止めを刺した舞が、すぐ近くにやってきた。
煙が晴れると、そこには仰向けで倒れたMSがいた。

「は、はは、生きてる。・・・・・・・・」
「まぁ、・・・・・PS装甲なら大丈夫だな。」
「はは、・・・・・・・・・・・・・・ところでPS装甲ってなんですか?」
「悪いが、そいつぁ今は言えないな。」
「はは・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。」
「祐一、大丈夫?」

ため息が循環し始めたコックピットに、舞の声が聞こえてきた。

「ああ、大丈夫だ。・・・・・・・・とりあえず艦に戻ろう。彼の処分も早くしたいからな。」
「わかった。」
「あ、ちょっと待ってください。」

舞がバーニアを点火させようとすると、キラが止めに入った。

「どうした・・・・・・・・ん?」

見ると右側のモニターが一部ズームされ、そこには、少年達が4人いた。

「ジーノ!みんな!無事だったんだね。」
「その声、キラか?なんでMSなんかに乗ってんだ?」
「話は後だよ。みんな、手に乗って。」

キラが機体をしゃがませて手を差し出したので、ジーノ達は足早に乗っていった。
全員乗ったのを確認すると、キラは機体を立ち上げた。

「OKです。」
「それじゃあ行こうか。」
「こっち。」

舞のジムUが飛び立つと、キラもそれに続いた。









機体解説


名称:クロスガンダム(ノーマル)
型式番号:RXHJ−105
武装:アーマーシュナイダー×2
   60mmバルカン×2
   ビームライフル
その他機能等:シールド装備
       HPS
        PS装甲

備考
H・J(ハーネットジュエル)社の新型のMS。
独自の技術「PS装甲」を搭載した機体。
更にHPS(ハードポイントシステム)を試験的に搭載した機体でもある。
ちなみに核融合炉ではなく、高性能バッテリーで動いている。
稼動時間は3時間。対弾数はマシンガン500発、バズーカ50発、ミサイル37発、打撃(ヒートホーク等)128発。


名称:ジムU
型式番号:RGM−79R
武装:ビームサーベル
   60mmバルカン×2
   ビームライフル
その他機能等:シールド装備

備考
連邦軍の量産型MS「ジム」の正統な後継機。
ジムと同じく、特に目立った点は無い。
エゥーゴと連邦軍で機体の色が違う。


名称:ジム・クゥエル
型式番号:RGM−79Q
武装:ビームサーベル
   60mmバルカン×2
   ビームライフル
その他機能等:シールド装備

ティターンズの量産型MS。
ジムUよりかは、性能は上回っている。
ムーバブルフレームの基本となった機体。





あとがき

はぁ〜。あがった。
やっとこさあがった。
あ〜あ、家で書くとどうしても進まなくなるからな〜。
早くクロスガンダムのイラスト仕上げないとなぁ〜。
早くヒロイン出さないとなぁ〜。

・・・・・・・・・もうこんな感じです。
でもまだまだ頑張りますんで、応援よろしくで〜す!。





ちなみに人のセリフの時は”輝羅”はカタカナで書きます。

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